密室殺人ゲーム王手飛車取り

「7人の名探偵」を読み、しばらくぶりに本格ミステリを読みたいなあ、と思って手に取ったのが本書。

 

頭狂人、044APD、aXe、ザンギャ君、伴道全教授というハンドルネームでネット上でチャットしているグループが主人公たち。このグループはミステリ同好の士で、1人が自分の思いついたトリックを用いて実際に殺人を行い、残りの4人がその実行方法を当てるというゲームを繰り広げるだけの話。出題者=犯人で犯人は自明のため、トリック解明に焦点があたる。

 

設定自体は現実にはありえないだろう、と思ったりしますが、一概にそんな奴らはいない!と否定できないところがコワイところ。

 

出題者は順番に回っているため、メンバー全員がゲームのために罪悪感なく淡々と人を殺している。あまり登場人物に肩入れは出来ないが、お互い正体を知らず、ネット上のチャットで推理展開するため、会話文が多く、ああでもない、こうでもない、といった会話には違和感なく入り込めてしまう。被害者間の共通点は何か(ミッシングリンク)、密室、アリバイ、と幅広いトリックが用意されており、一気読みできました。最後の事件では色々とやられました。

 

なお、終わり方は次回に続く、いわゆるクリフハンガーであり、若干不満あり。かつて本格ミステリにこういう終わり方ってあったっけなあ?多分この終わり方じゃなくても続編は読もうとは思いましたが。